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「芽衣」
「うん?」
涙声で、芽衣はグスグスしながら俺に抱き付いてくる。
拗ねた猫みたいで、また切ない。
「お願いがある」
「なに……?」
「──仕事は仕方ないけど、でも、俺以外の男には感じないで欲しい……」
すると、芽衣は涙に濡れた瞳でじ……っと俺を見つめる。
何の感情も読めないそのガラス玉みたいな琥珀の瞳を見つめ返しながら、地雷踏んでないかな、と不安になる。
一言ごとに相手の気持ちが気になって不安とか、それすら初めてなんですけどね……。
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