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「俺が若くて馬鹿で、何も考えてなかっただけだよ。結婚なんて、案外弾みでしてしまえるもんだから。離婚があんなに大変なことだって知ってたら、結婚なんてしなかった」
芽衣は俺の目を真っすぐに見ながら、悲しそうに瞳を揺らした。
「……似たようなこと、年末に離婚したばかりの中年のオジサンも言ってた……」
「はは」
ふと、頭の中によぎる。
──芽衣は、結婚とかしたいのかな。
でも、それはこんな話のついでで訊くことじゃない。
芽衣のすべてを抱え込んでしまいたい気持ちはもうあるけど、彼女が望まないのに俺ばっかり先走っても仕方ないし。
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