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「え? どうして泣くの」
「や、木島ちゃんにホントの名前呼ばれるなんて、思ってなくて……なんか……」
ゴメン、と言いながら目元を拭う芽衣ちゃんを見ていると、とっくに準備はオッケーだったけど、追い打ちのようにたまらなくムラムラときた。
「え? 木島ちゃ……」
「駄目だ。ヤバイ──芽衣」
「やだ、待って……」
改めて芽衣の身体を引き寄せて、俺は初めて自分から彼女の中に溶けていった。
嬉しいとか、気持ちいいとか、満足だとか。
そういうありふれた感情なら、この瞬間幾度も経験してきたけど。
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