始まりの終わり。

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  「馬鹿にしないで!」 「馬鹿にしてんのは、そっちだろ。ただの欲求不満なら、充分だろうが。会う度何回いかせてやってると思ってんの」 「──……ッ!!」  シュ、と平手が飛んで来そうになって、その手首も掴んで止める。  どうも女は人を殴るのが下手らしい。  今の、止めなかったら頬じゃなくて耳に当たってた。  そのときのキインとした耳鳴りと眩暈のする衝撃を想像して、ホッと息をつく。  まあ、急所を確実に狙ってくる女ってのも、怖いけど。 「……言えないんだろ?」 「それは……ッ」  一瞬で感情が極限まで高ぶったのか、操は肩で息をし始める。  俺は溜め息をひとつついてから操の身体を抱き寄せた。 「操」 「……木島、なんでいきなり、そんな」 「とりあえず、落ち着けよ。息、詰まるぞ」  ポンポンと操の背中を撫でながら、彼女の興奮が少しでも和らぐようにしてやる。  高ぶらせたのは俺だ。  その責任はある。 「あのな、操。3年も辛抱してて、なんで旦那に言わない?」 「……木島には……」 「関係ない、とは言わせない。俺とお前、やることやっちまってるんだから。お前がどうしてもって言うから、この状況なんだ」 「……」 .
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