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俺は真性じゃないから、サドの境目って難しい。
「仕事中なんだけど」
冷めた目で、チラリと操を振り返る。
俺の視線の中に蔑みを見つけたのか、操は一瞬屈辱的な赤面を見せた。
「……この間は……」
してくれたじゃないの、って?
「共犯者ってのは、クールな関係であるべきじゃない。利害が一致するから仲良し。無様にワガママを垂れ流すもんじゃないと思うんだけど」
「……う」
「この間は、気まぐれで気分が乗っただけ。昼間の仕事モードにそうそう性欲が出てくると思うな」
言いながら、チクチクと胸が痛む。
操と寝るつもりはない。
だけど、こうして操を好き勝手に罵るのが楽しい。
だが楽しいと感じる度、芽衣の顔が浮かぶ。
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