冬眠していた時限爆弾。

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   頭をガシガシと掻きながら芽衣を見ると、彼女は何とも言えない複雑な顔をしていた。 「……あ、知らないんだ……」 「だから、何が」  少し苛立って答えると、芽衣は拗ねたようにぎゅっと口唇を結ぶ。 「あたしとママの関係」 「……?」  返事の代わりに眉根を寄せると、芽衣は気まずそうに俺から視線を外した。 「何なの。言いにくいことなの」 「……そりゃあ……」  口ごもる芽衣を見て、ようやく“何か変だ”と思った。まだ酒が残っていたらしい。 「何。言いたいことがあるなら、美智子さんが来る前に……」  言った瞬間、ドアがノックされる。  ハッと顔を上げると、ドアが開いた。 .
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