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お風呂上がりの先輩はいつも通り、色気の火照りを放っている。
見えないけど。
見えてしまいそうなその色気の玉を飛ばしまくる先輩に。
「お水、どうぞ」
「ありがとう」
手が届くギリギリの距離からペットボトルを渡した。
あれは危険。
あの玉にぶつかると、先にお風呂を頂いてもう火照りも落ち着いた筈の私の体温、また上昇してしまう。
向かいに座った。
肩に置いたタオルで無造作に髪を拭く姿が。
どうしよう。
イヤラシクにしか見えないなんて。
――昼間。
ピンクグレーボイスは、私がローン用紙を見せた途端、急に用事を思い出したと言って店を後にした。
女性陣からはお褒めの言葉を頂き。
ついでにあの店主からは押印を頂いた。
五台分の、購入用紙の。
巧ちゃんは『怖ぇ、ねーちゃん。知ってたけど』等とのたまい私から拳骨を貰い。
会長は。
『聖ちゃん、この店、聖ちゃんに継いでもらおうかな』
『えぇ、会長』
『いやいや、素晴らしい営業だったよ。うちも安泰だね』
先輩はクスクス笑ってた。
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