アノ、三人娘

143/146
552人が本棚に入れています
本棚に追加
/576ページ
お風呂上がりの先輩はいつも通り、色気の火照りを放っている。 見えないけど。 見えてしまいそうなその色気の玉を飛ばしまくる先輩に。 「お水、どうぞ」 「ありがとう」 手が届くギリギリの距離からペットボトルを渡した。 あれは危険。 あの玉にぶつかると、先にお風呂を頂いてもう火照りも落ち着いた筈の私の体温、また上昇してしまう。 向かいに座った。 肩に置いたタオルで無造作に髪を拭く姿が。 どうしよう。 イヤラシクにしか見えないなんて。 ――昼間。 ピンクグレーボイスは、私がローン用紙を見せた途端、急に用事を思い出したと言って店を後にした。 女性陣からはお褒めの言葉を頂き。 ついでにあの店主からは押印を頂いた。 五台分の、購入用紙の。 巧ちゃんは『怖ぇ、ねーちゃん。知ってたけど』等とのたまい私から拳骨を貰い。 会長は。 『聖ちゃん、この店、聖ちゃんに継いでもらおうかな』 『えぇ、会長』 『いやいや、素晴らしい営業だったよ。うちも安泰だね』 先輩はクスクス笑ってた。
/576ページ

最初のコメントを投稿しよう!