アノ、三人娘

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「聖ちゃん、遠くない?」 「そんなこと」 判ります? だって先輩。 『ずいぶん頑張ったね、……巧の為に』 『え』 『妬けるなぁ、聖ちゃん』 『や、だって巧ちゃんは。本当に弟みたいなもんで』 昔から知っている、まだあどけない姿の巧ちゃんが。 毒牙にヤられるかと思うとつい。 『……そうだね、弟』 『先輩……?』 ひっ。 見てはいけないものを。 『お兄ちゃんだもんね、今日の俺……設定は?』 あぅあぅ……。声にならない叫び。 『宣言したし? 酷くスルよ、って』 『……』 『可愛い妹に、優しいお兄ちゃん、愉しみだね、聖ちゃん』 もの凄く妖しい笑みを、見てしまった。 “酷い”お兄ちゃん、の間違いでは。
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