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冴「どれくらいでそうなるのだ?」
奴らは死んでいるとしても、動いてはいるんだ。
つまり、筋肉繊維は働いているはず、しかも、脳に近い聴覚までもがだ。
すなわち、脳が働いていなければ動かないはずなんだ。
でも、脳が動くはずがない……
心臓の働きのおかげで、血液が体中に行き渡り、生命活動は行われているんだ。
そんなやつらが、腐って白骨化するかどうか……
いや、そんな暗いことは考えるな!
仮にも鞠川校医は医者なんだ。
予測が外れることも少ないだろうしな。
鞠「えぇと、夏なら8日程度で一部は白骨化するわ……冬なら何ヶ月もかかるけど」
みんなは希望的観測に喜びそうになっていたが……
沙「腐るかどうか、分かったもんじゃないわよ?」
孝「どういう意味だよ?」
やっぱり、沙耶は俺と同じ考えに陥ったか……
嬉しいやら、悲しやら
沙「動き回って人を食べる死体なんて、医学の対象じゃないわ」
確かに、沙耶の言うとおりだな。
沙「下手すると……いつまでも」
ここで皆は一旦沈黙した。
こんな中、冴子先輩が語りだす。
冴「家族の無事を確認した後、どこに逃げ込むかが重要だな……」
安全な場所か……、机上の理論なら空の上にでも逃げたい気分だな。
地下シェルターも一時は考えたが、一人でも感染すると、終わりだな。
冴「ともかく、好き勝手に動き回っては生き残れまい」
ここで、皆の目つきが変わる。
冴「チームだ、チームを組むのだ!」
皆はやる気を体で表現し始めた。
宮本は長い棒を勢いよく振り下ろし、肩に乗っける。
沙耶は改めてカバンを持ち直す。
コータは改造釘打ち銃を構えなおす。
鞠川校医は治療道具を持ち出し。
冴子先輩は木刀を構え。
小室はバットを持つ。
俺は両手のドライバーを空中に投げ、手を交差した後、振り下ろすようにキャッチした。
冴「できる限り、生き残りも拾っていこう」
孝「……はい」
詩「そうだな」
俺と小室は肯定した。
麗は作戦を再度聞きなおす。
麗「どこから外へ?」
沙「駐車場へは、正面玄関からの方が一番早いわ」
俺は廊下側の扉に手を掛けた。
そして一言。
詩「行くぞ!」
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