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?「詩音、詩音!」
詩「……ん?」
俺は目を覚ます。
ここは……
?「なに寝ぼけてんのよ?そろそろ授業終わるわよ?」
詩「……ん~?」
俺は起こしてくれた隣の子を見た。
?「な、なによ?」
あぁ、コイツは確か……
詩「いや、助かったよ沙耶」
沙「……///いいわよ、お礼なんて」
俺は机から身体を起こした。
そうか、ここは学校だったか。
俺は教師に見つからないようにゆっくりと身体を伸ばすように両手を広げた。
詩「って、終わるまで10分前じゃないか」
沙「……だって、気持ちよく眠ってたみたいだから」
おぉ、随分と心の広い方だ。
詩「優しい心使いだな、うれしいよ」
沙「ばっっ///そんなんで一々嬉しがらないでよ!」
はっはっはっ、そんなに照れなくてもいいだろうに。
そんな和やかな会話をしていると、放送が流れる。
ここから平和の環境が終わりの鐘を告げた。
世界は…………終わった。
詩「放送?こんな中途半端な時間に……」
沙「しっ、静かにして」
俺は沙耶の忠告通りに静かに放送に耳を傾けた。
「全校生徒に連絡します!」
全校生徒にだと?
「校内にて、暴力事件が発生中です!生徒は先生の指示に従って避難してください!!」
暴力事件?こんな山の上にある学校でそんなのが起こるのか?
「繰り返し連絡します……」
詩「おい、沙耶」
沙「えぇ、ただ事ではないわね……」
俺は頭が一気に覚醒するのが分かると、椅子から静かに立ち上がる。
沙「どうするの?」
詩「まだ皆は放送に聞き入っている、混乱が起こる前に一刻も早く情報が欲しい」
俺はゆっくりと辺りを見渡す。
俺は教室の後ろに位置するところに場所がある。
すなわち、後ろの方にドアがあることになる。
そこのドアを見てみるが……
誰かが静かにここの教室から出ようとしている人物を見つけた。
詩「コータか、意外と行動が早い奴だな」
俺は沙耶を立たせて、コータの後を追う。
詩「沙耶、お前はコータに声を掛けておいてくれ」
沙「詩音はどうするの?」
詩「廊下の窓を見渡して、様子を伺ってみる」
一体、何が起こっているんだ?
俺たちは、大丈夫なのだろうか?
そんな不安を胸の奥深くにしまった。
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