第1章

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ぶしゅ ざしゅ 鈍くて、突き刺さるような音が二つ聞こえる。 コ「ガッチャ……」 一つはコータの改造釘打ち銃。 もう一つは…… 詩「大丈夫か?沙耶」 俺の右手にあるプラスドライバーには、血が滴っていた。 沙「し、おん?」 詩「悪かったな、待たせちゃって」 俺は安心させるように笑いかける。 沙「……遅い、わよ」 詩「小言は後で聞くよ、よし、行くぞ!」 俺は教室を出ようとしたが…… コ「あ、待ってください!」 詩「?どうした?」 コ「なんで、詩音君と高木さんは、僕と……」 詩「最初に教室を抜け出そうとしていたからな、何かの縁だと思ったんだよ」 そして、コータは沙耶の方に向いた。 多少、期待のこもった目で…… 沙「私は別に?大した理由なんてないわ」 コータはあからさまに落胆していた。 コ「はぁ、ま、そうですよね?」 俺はコータに声をかけようとしていたが…… コータは勢いよく、釘打ち銃の釘をリロードし始めた。 沙「なに?いきなりその気じゃない?」 俺も顔が綻ぶのが分かる。 沙「なにか分かっちゃった訳?」 コータは目を輝かせると、元気よく発した。 コ「分かんないけど分かりましたぁぁぁぁ!!!!」 詩「あはははは!!」 俺は腹を抱えて笑い出す。 そして、俺たちは勢いよく駆け出した。 前衛に俺 中衛に沙耶 後衛コータの順で技術室を抜け出した。 俺が先頭に出て暴れまわり、沙耶が周りを見て指示し、コータが俺の撃ち漏らしを殲滅する。 世界が現実を諦めても、俺たちは諦めはしない! 少しして走っていると、一体のゾンビを見つけた。 沙「ちょっと待って」 俺は少し周りを見渡したあと、立ち止まった。 コータも何か分からない顔をしているが、素直に立ち止まった。 詩「どうした?」 沙「ちょっと確かめたいことがあるのよ」 すると沙耶は、濡れた雑巾を持つと、ゾンビに向かって投げつけた。 その雑巾は見事に命中したが…… コ「な、何するんですか?」 詩「ふむ、なるほどな」 沙「いいから二人共、黙ってなさい」 もう一度沙耶は濡れた雑巾を取り出すと、ロッカーの方に思い切り投げつけた。 その後の結果が面白いことを示していた。
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