逢、愛、藍

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真琴に呼ばれて藍子と私は砂浜を歩いた。 しばらく歩くと金髪の男性が砂の城を作っていた。 「マコちゃん。出来てるっすよー。」 「ありがとにゃん!ダーリン。」 だ…ダーリン…… ダーリンと呼ばれた彼にも私達は面識がある。 高校の時の同級生にして、今絶賛人気のバンドマン。 山本祐介くんである。 真琴が「苗字変わっちゃった。てへ。」 なーんて言いながら結婚式の招待状をくれた時は、マジで信じられなかった。 「祐介くん…ずっと城作ってたの?」 「いや~マコちゃんが砂の城を背景に写真を撮りたいって言うもんでね…ハハハ…」 バカだが、良い人だと思うよ。うん。 そして、私と藍子はその砂の城の背後に立つ。 よく見ると、砂の城は私達がデートで何度も行った遊園地に似ていて… また、涙が出た。 「みんなさ…バカだよね。…でも………ありがと」 そんな言葉が、私の精一杯だった。
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