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30歳を迎えた私達は革で出来たお揃いのブレスレットを着けて手を繋いでいた。
「あの時の思い出はずっと残るから。」
「そうだよね。藍子と私の…素敵な思い出。」
私はもう片方の手で真琴を撫でた。
「真琴もありがとね。ずっと私達を撮ってくれて。」
「いいのです。私もあなた達が大好きですから。」
苺華が私の手を引く。
「ほら、行くよ。これからはどんどん新しい思い出増えるんだから。」
「そうだね。無くなっちゃう物より出来る物の方が…倍以上多いもんね。」
夕焼けに染まる空と暗く濃紺の空の間に一筋
藍色の筋が残る。
「藍色の王子様。」
「なんでしょう、苺華姫?」
私は苺華をお姫様抱っこした。
「とりあえず金婚式まで後何年?」
「57年」
「じゃあ…その時また一緒にここに来ようね。」
「馬鹿だなぁ…言われなくたって来るよ。」
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