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『何を謝ることがある?』
『だって…朔のせいで、鴨とお梅さんが…っ』
嗚咽を漏らしながらも答える。
二人が亡くなったのはずっと自分のせいだ、自分が犯した罪だと。
お梅は芹沢にしがみ付く朔にそっと手を伸ばし
『朔さん?うちはあんたに感謝こそすれ憎んだことはありまへんえ?』
泣きじゃくる背中を擦る。
お梅の言葉に朔は目を丸くした。
『うちのほうこそ朔さんに酷いこと頼んでしもて…
堪忍なぁ、ずっと自分を責めてたんやないの?』
眉を下げる姿に朔はブンブンと首を横に振る。
『うちは…朔さんがしてくれたことでずっと芹沢さんと居れたんや。
ありがとうな?』
『そうだ、お前のせいだなんて誰が言える。そんな不届き者は儂がたたっ斬ってやるわっ』
豪快に笑う芹沢に思わず笑みが漏れる…が、不意に笑い声が止まった。
『…ときに新見。』
『ふはっ!?』
感動の再開を眺めほっこりする気持ちになっていた新見は突如芹沢に声をかけられおかしな声を出す。
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