第5話

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「おかえり、美桜」 穏やかな優しい声がふんわりと落ちてくる。 「ただいま」 「今日も楽しかったか?」 「うん」 「そうか。帰るか?」 「うん」 私が頷くと蓮さんが助手席のドアを開けてくれる。 いつもと同じようにそこに乗り込もうとしていると 「美桜~!!」 名前を叫ぶように呼ばれて私は動きを止めた。 声の主を探すように見渡すと 「麗奈!?」 教室の窓から身を乗り出すように手を振っている麗奈の姿があった。 麗奈は蓮さんに向かって軽く会釈をすると 「“あれ”忘れちゃダメだよ!!」 私に釘をさした。
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