第5話

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アワアワとアユちゃんに目で助けを求めると 「葵、そのくらいにしとかないと美桜ちゃんが本気で怯えてるよ」 苦笑しながら助け舟を出してくれた。 アユちゃんの言葉にハッと我に返ったらしい葵さんは 「ごめん!! 美桜ちゃん。つい、ケンに言うのと同じ口調になっちゃった!!」 恐ろしい事をサラリとカミングアウトした。 この時ばかりは、私がケンさんにとてつもなく同情したのは言うまでもない。 「まぁ、初めてのことだから分からなくて当然だし」 「それもそうだよね」 「じゃあ、こうしない?」 キラキラと瞳を輝かせている葵さんに、私は嫌な予感しかしない。 「なに?」 そんな私の予感を他所にアユちゃんが葵さんに尋ねた。 「チョコを渡す時、“好き”って言うの」 「うん、それいいかも」 「神宮先輩も喜びますね」
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