第5話

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私は珍しく緊張していた。

ソファに座る私の後ろには、さっき蓮さんがトイレに行っている間に準備したチョコ入りの紙袋がスタンバッている。

点けているテレビには毎週欠かさず見ているドラマが流れている。

視線は向けているのに、内容は一切頭に入ってこない。

いつもは瞬きをするのも忘れるほど夢中で見嵌るのに……。

私はひたすらチョコを渡すタイミングを計っていた。

ううん。

渡すタイミングならあり過ぎるほどある。