第5話

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「あの、私たち紺野先輩に憧れていて……」 「はい!?」 「はい。……それで、これを受け取って欲しくて……」 「わ……私に?」 「美味しいかは分からないけど……頑張って作ったんです」 「作ったって……手作りですか?」 「はい」 正直、断ろうと思っていた。 それは知らない子たちだってこともあるし 私なんかがそんなものをもらうなんておこがましいような気がしたから。 だけど、手作りだって聞いた途端、私の気持ちは揺れ始めた。 チョコを手作りする大変さは、身に染みて分かっている。 慣れない作業となると余計に大変ことも。 差し出す女の子達の手が微かに震えていて……。 それに気付いた私は 「……ありがとう」 差し出されたそれを全て受け取った。
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