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だけど、私は見逃さなかった。
海斗の耳が微かに赤く染まっているのを……。
そんな海斗に思わず吹き出しそうになったけど、私はそれを必死で押し殺した。
「てか、美桜良かったね」
「え? なにが?」
「友チョコデビューができて」
「友チョコデビュー?」
「うん。 それ」
麗奈が指差したのはやっぱり私が抱えているチョコだった。
「渡すのはナシだけど貰うのはアリだろ?」
「しかも相手は下級生の女の子だしね」
「良かったね。 紺野さん」
……そっか。渡すのはダメでも、貰うのはいいんだ。
思いがけない友チョコデビューに私の頬は自然と綻んだ。
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