第5話

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だけど、私は見逃さなかった。 海斗の耳が微かに赤く染まっているのを……。 そんな海斗に思わず吹き出しそうになったけど、私はそれを必死で押し殺した。 「てか、美桜良かったね」 「え? なにが?」 「友チョコデビューができて」 「友チョコデビュー?」 「うん。 それ」 麗奈が指差したのはやっぱり私が抱えているチョコだった。 「渡すのはナシだけど貰うのはアリだろ?」 「しかも相手は下級生の女の子だしね」 「良かったね。 紺野さん」 ……そっか。渡すのはダメでも、貰うのはいいんだ。 思いがけない友チョコデビューに私の頬は自然と綻んだ。
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