崩れた境界

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琉惺の少し冷たい手が 掴んだ部分を 弧を描くように探って行く。 「や…琉惺…」 「嫌じゃないくせに」 …やっぱり無理なのだ。 触れられてみれば嫌でも分かる。 この身体はどう足掻いても この男を拒む事なんて 出来そうもない。 そんな私の様子を 全て分かっていると いわんばかりに クルリと反転させられ 向かい合わせになった瞳に 真っ直ぐに見据えられた。
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