崩れた境界

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彼の腕からそっと抜け出し 私は静かに部屋を出た。 大通りに出れば深夜の文字を 灯したタクシーが 通り過ぎて行く。 落ちて来た銀杏の葉に 思わず身震いしながら タクシーを止めて。 家に戻ったのはもう 午前2時を回っていた。 身体に染みついた 和成さんの香りを シャワーで洗い流し バスルームを出た所で 玄関のチャイムが鳴り響く。
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