第1話

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「ねぇ、明日は会えないの?」 今日は金曜日。 「明日は職員会議だからね。その後飲み会だしさ。」 「じゃぁ夏休み、どっか一緒にいける?」 「ああ、考えておく。さあ、もう9時過ぎた史子(ふみこ)も帰らないとな。」 人目を避ける様に逢瀬を重ねる。 私の彼は『センセイ』 非常勤だけど、『国語』の中の古典や歴史を教えている。 出会いは中学3年の夏。 ありきたりな家庭教師のバイトで家にきた。 センセイは大学4年で就職先も決まっておらず、教員の空きが出るのを待っているところだった。
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