●出会い

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なんでこんな状況になっているのだろう。  さっきのキスから状況が飛びすぎて、現実がいまいち把握できない。  キスの後そのままミツに肩を抱かれて、タクシーに乗せられた。  着いた先は怪しい渋谷のネオン街。  こんなとこ当然来たことない。  戸惑う私を尻目にそのうちのあまり派手すぎない1軒にすっと入り、今まさにミツが私の上に覆い被さってキスを繰り返している。  ミツの唇の熱さだけが私にこの現実を教えてくれているようだ。  ふわふわ  身体が宙に浮いているようだ。  酔いもさめていないせいなのかな。  でも不思議とさっきのような気持ち悪さは消えていた。  それどころか、反対に  気持ちいい―――  それにミツの香り・・・  香水なのかな?  今までかいだことのないさわやかなようで、少し甘い香り。  一度かいだら忘れられない香り。  私、この香り好き・・・  人の体温、少しだけかかった人の重さ。  何だかね、すごくすごく心地いいんだ。  もう力なんて入らないし、入れたくもない。  私はミツに完全に身をゆだねた。
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