13人が本棚に入れています
本棚に追加
なんでこんな状況になっているのだろう。
さっきのキスから状況が飛びすぎて、現実がいまいち把握できない。
キスの後そのままミツに肩を抱かれて、タクシーに乗せられた。
着いた先は怪しい渋谷のネオン街。
こんなとこ当然来たことない。
戸惑う私を尻目にそのうちのあまり派手すぎない1軒にすっと入り、今まさにミツが私の上に覆い被さってキスを繰り返している。
ミツの唇の熱さだけが私にこの現実を教えてくれているようだ。
ふわふわ
身体が宙に浮いているようだ。
酔いもさめていないせいなのかな。
でも不思議とさっきのような気持ち悪さは消えていた。
それどころか、反対に
気持ちいい―――
それにミツの香り・・・
香水なのかな?
今までかいだことのないさわやかなようで、少し甘い香り。
一度かいだら忘れられない香り。
私、この香り好き・・・
人の体温、少しだけかかった人の重さ。
何だかね、すごくすごく心地いいんだ。
もう力なんて入らないし、入れたくもない。
私はミツに完全に身をゆだねた。
最初のコメントを投稿しよう!