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ミツはもう起き上がって、タバコに火をつけている。
「家?あんたの荷物預かってるんだから、届けに行こうか?」
「い、家じゃないよ・・・」
「は?どこ?」
「えと・・・渋谷・・・」
「は?渋谷?なぎさなんで渋谷にいるの?」
「う・・・うんと・・・」
ミツが隣にいるこの状況で、どうやって亜利沙に説明すればいいの?
沈黙していた私に、亜利沙は何か勘づいたようだった。
「わかった、とりあえず駅前のスタバ来て」
「は?」
「私は15分くらいで行けるから、15分後にね」
「え・・・急すぎ」
ここでいきなり電話が切れた。
亜利沙、急すぎ。せっかちすぎだろう。
私は急いで亜利沙にコールバックしたけど、何回鳴らしても出やしない。
確信犯だな。
私はあきらめてスマホを鞄に入れた。
「なぎさ、もう出ないとまずいんでしょ?」
ミツが聞いてくる。
「う、うん・・・」
「15分後に駅前のスタバなんて、かなりせっかちな友達だね。
声でかすぎ。全部聞こえてたよ」
は、恥ずかしい・・・
亜利沙のバカ。
「じゃさ、俺も一緒に出るから、着替えちゃいな」
ここで私は自分が裸なのに気がついた。
私は急いで身体を腕で隠したけど、今更そんなことしてもどうにもなるわけなくて、ミツも全く気にする様子もなく、ベッドの下に転がっている自分の服を探し始めた。
私もあせって、服を探し始めた。
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