●恋

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 ミツはもう起き上がって、タバコに火をつけている。 「家?あんたの荷物預かってるんだから、届けに行こうか?」 「い、家じゃないよ・・・」 「は?どこ?」 「えと・・・渋谷・・・」 「は?渋谷?なぎさなんで渋谷にいるの?」 「う・・・うんと・・・」 ミツが隣にいるこの状況で、どうやって亜利沙に説明すればいいの? 沈黙していた私に、亜利沙は何か勘づいたようだった。 「わかった、とりあえず駅前のスタバ来て」 「は?」 「私は15分くらいで行けるから、15分後にね」 「え・・・急すぎ」 ここでいきなり電話が切れた。 亜利沙、急すぎ。せっかちすぎだろう。 私は急いで亜利沙にコールバックしたけど、何回鳴らしても出やしない。 確信犯だな。 私はあきらめてスマホを鞄に入れた。 「なぎさ、もう出ないとまずいんでしょ?」 ミツが聞いてくる。 「う、うん・・・」 「15分後に駅前のスタバなんて、かなりせっかちな友達だね。 声でかすぎ。全部聞こえてたよ」  は、恥ずかしい・・・  亜利沙のバカ。 「じゃさ、俺も一緒に出るから、着替えちゃいな」 ここで私は自分が裸なのに気がついた。 私は急いで身体を腕で隠したけど、今更そんなことしてもどうにもなるわけなくて、ミツも全く気にする様子もなく、ベッドの下に転がっている自分の服を探し始めた。 私もあせって、服を探し始めた。
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