第1話

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びっくりして後ろを見ると、そこにいたのは真人だった。 「……よお、奏太 久しぶりだな」 「あっ!真人さん! ちわーっす」 真人に気づいた奏太が返事を返す。 「ってかあれ?真人さんって南三高だったんだ? 真人さんならもっと上行けたんじゃないんですかー?」 奏太がそう問いかける。 まあ、そうだよね。 私もずっと疑問だったし。 「ここのほうが近くて便利だろ」 真人の答えは私が聞いたときと同じだ。 「それより奏太、こんなとこにいるってことは部活探してるんだろ 来いよ」 「えっ!?俺高校は野球やらないっすって先輩!引っ張りすぎですよ!いてて!」 なにやらぎゃーぎゃー騒いでいる奏太をやや強引に連れていく真人。 なんだか少し機嫌が悪そうだ。 「あっ!成さーーん!またねー!」 引きずられながら奏太がこっちに向かって大声で叫んでいる。 ……返事したくないな。 ってかまた会いたくないし。 まあ、こんなときは、無視だよね。 と、自分の中で結論を出し、黙って奏太に背を向ける。 「鈴、うちらも部活行こう」 いつの間にか戻ってきていた鈴に声をかけ、テニスコートへ向かう。 ……まあ、会おうとしなければそんな狭い学校じゃないし、頻繁に会うことはないよね。 奏太と同じ学校というだけで気が重いが、そう結論付け、これ以上は考えないことにした。
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