1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
勧誘といったらやっぱり校門。
授業が終わり、帰ろうとしてる新入生に声をかける。
何の部か分かりやすいようにすでに練習着に着替え、ラケットという小物も装備済みだ。
「ねぇねぇ、今日暇?よかったらテニス部見ていかない?」
友達を待ってるらしい女の子に声をかける。
下手なナンパみたいだけどこうやって地味に声をかけるしかない。
「いや…今日忙しいので…」
「そっかー!じゃあ暇なときでいいからいつでも見学しにきてね!」
ふられてしまった。
案外心にダメージを受けた。
でもめげない。部活には新入部員が必須なのだ。
「こんにちはーっ
みんな、中学のときは何部だったの?」
今度は新入生と思われる女の子三人に声をかける。
いきなり来た上級生にためらいながらも一応返事をしてくれる。
そこでもテニス部へ来ないか誘ってみるが、明らかにひきつった顔で断られてしまった。
これは…かなりの精神力が必要だな…
一人うちひしがれて、一緒に来た鈴のほうをちらっと見る。
「え!見学来てくれるの!?
じゃー早速行こーっ!」
どうやら新入生をつかまえられたようだ。
そんな鈴を観察してると目があった。
「あ!成ー!一年生捕まえたから行ってくるねー!
成も頑張ってー!」
…くそう
鈴に遅れをとるなんて。
なんか悔しい。
負けず嫌い精神に火がつき、再び勧誘を再開しようとしたときだった。
最初のコメントを投稿しよう!