Chapter1

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その後の会話は無く、辿り着いたのは、一つの大きな扉の前。 プレートにMASTER ROOMと彫り込みがある。 「…私も?」 何と無く入りたくなくて、ローゼンを見上げるも、あっさり肯定される。 そのまま、軽いノックをして、返事が聞こえるや否や扉を開く彼。 逃げる間も無く招かれたその部屋は、意外にシンプルな部屋だった。 置いてあるものは書斎卓とゆったりとした椅子、そして対となるソファーと、テーブルのみ。 装飾の類が一切無いその部屋のソファーで、優雅に何かを飲んでいる美しい女性が一人。 「あら、早かったのねぇ。エルノアは修羅部屋かしら?」 その言葉にローゼンが頷くと、女性はにっこり笑って頷いた。 そして彼女が軽く指を振ると、ティーカップが二つ、机の上に現れる。 「取り敢えず休憩しましょう。詳しい話はその後ね」 終始にっこにこの女性には、何故か有無を言わせないオーラがあった。 こちらにしてみれば、早く図書館へ戻りたい。 折角集めた書物はまだ半分しか目を通していない。 今日は一日本で時間を潰すつもりだったのに… どうやらそうさせては、くれなさそうだった。
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