Chapter 2

2/13
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
あれから一週間。 私は殆ど毎日図書館に通い続け、必要な知識は粗方身に付けた。 学園の短期卒業の方法も知った。 後はそれを、学園の長が許すかそうでないか。 因みに、先日捕まえた犯人達が口を揃えて言うのは、“雇われた”ただ、それだけ。 ということは、首謀者も幹部も、まだ捕まっていないことになる。 「ルナー、遅刻するよ」 そして、捕えられていないのなら依頼達成にはならないらしく。 一週間護衛役として側にいてくれた彼等とは、妙に仲良くなってしまった。 これ以上、枷が増えると旅に出るのが辛くなる。 それは、わかっているのだけれど。 「うん」 返事を返しながらも、門を潜って直ぐに広がる幻想的な光景に目を奪われた。 磨き上げられたかのような、真っ白な校舎。 そこへ続く並木道は、青い華を咲かせる木々で彩られ、舞い落ちる花弁が青い絨毯を作っている。 綺麗、なんて言葉では表せないほどに神秘的な光景。 けれど、毎日通っている生徒達は、気にも止めずにスタスタと校舎に入っていく。 「遅れるって言ってるの、分らないの?早く!」 やがて痺れを切らしたエルノアに腕を引かれ、鋭い視線が突き刺さったところで我に返った。 と同時に憂鬱。 ここでも、嫉妬の嵐に吹かれ続けるのかな。 そんな思いから、ため息が漏れた。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!