Chapter 2

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そんなこんなで理事長室前廊下。 エルノアとローゼンも一緒に。 普通の転入で、理事長に面会などしない。 けれど、どうやらマスターの友人らしい。 一度会ってあげてね。 そう言われると、断る理由もない。 というか、私にとっては、仲良くなっておいて損な相手ではない。 ノックをして、返事を聞いてからドアを開けると、それはそれは散らかった部屋があった。 ギルドマスターとは正反対。 そんな事を思いながら、床に散らばる書類を踏まないように部屋を歩く。 「いやぁ、悪いね。思うように仕事が進まなくてさ。いつの間にかこんな事に」 へらりとした笑みを浮かべるのは、セレスと同じく綺麗な女性。 しかし、部屋が汚いからだろうか。 何処と無く品が欠けて見えてしまう。 「セレスの推薦で入った子だね?名前は確か…」 「ルナです。ルナ・フローレス」 「あぁ、そうそう。ルナ君ね。君、特待生だよ。じゃ、これ着てみて」 差し出されたのは白に金の刺繍の入った、上品なスカートとブレザー、そしてブラウス。 それに高価そうな黒の革靴と同じく黒い靴下。 「あ、そこに別室があるからさ。ここと違ってもうちょっと綺麗だから、そこで着替えておいでよ」 言われるがままに別室に入ると、扉の向こうで話し声が聞こえた。 主にエルノアと、理事長の。 何と無く出て行き辛かったのだけれど、時間的にそんなことも言ってられない。
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