Chapter 2

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今まで来ていたのがドレスワンピースだった為に、スカートの短さに違和感を覚えつつそっとドアを開けると、何時もより目を見開いたエルノアと目が合った。 「えっと…変?」 余りに目が見開かれていたので、何処かおかしいのかと聞いてみるも、彼は直ぐに首を振った。 ちょっと安心して理事長室に戻ると、理事長が目をパチクリさせて…強く頷いた。 「ふむ、スタイルが良いって素晴らしいね。ここまで制服を着こなす子も中々居ないよ。 最高に美人だしねぇ。エルノア、もしかして「理事長、もう時間」 にやにや顏の理事長の言葉を、エルノアが慌てて遮った。 「そうだねぇ。なら、仕方ないな。また詳しく聞くとするよ。 あぁ、ルナ君。このカードが寮の鍵、兼クレジット。 特待生は食堂タダだし、学園の施設は殆ど優先的に使うことができる。活用してくれて構わないからね」 理事長はそう言ってへらりと笑った。 「ありがとうございます。 それと、一つだけお伺いしたいのですが…この学園は使い魔を出しておくのは禁止ですか?」 カードを受け取って問うと、理事長は不思議そうな顔をした。 「おや、もう使い魔を持っているのかい?余程大型の使い魔で無ければ、連れ歩いても構わないよ」 その言葉に、今日は何とか空間に入っていてもらっていた久遠を呼び出す。 すると、理事長の目が見開いた。 「金の妖狐…?いや。まさかね」 「どうかされましたか?」 「いや、その大きさなら大丈夫だ。行って構わないよ」 「ありがとうございます」 彼女の反応は気になったものの、もう時間が無いのも事実。 というか、もう間に合わないだろう。 エルノアの吹っ切れたような態度がそう物語っている。 理事長室を出ても、もう急ごうともしない二人。 「転移しないの?」 そちらの方が、早い上に楽なんじゃない? そう思って聞いてみると、ローゼンが首を振った。 「学園では、俺の得意属性は雷だ。他の属性値は平均。空間は目立ちすぎる」 ここでは他の属性は隠しているらしい。
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