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今まで来ていたのがドレスワンピースだった為に、スカートの短さに違和感を覚えつつそっとドアを開けると、何時もより目を見開いたエルノアと目が合った。
「えっと…変?」
余りに目が見開かれていたので、何処かおかしいのかと聞いてみるも、彼は直ぐに首を振った。
ちょっと安心して理事長室に戻ると、理事長が目をパチクリさせて…強く頷いた。
「ふむ、スタイルが良いって素晴らしいね。ここまで制服を着こなす子も中々居ないよ。
最高に美人だしねぇ。エルノア、もしかして「理事長、もう時間」
にやにや顏の理事長の言葉を、エルノアが慌てて遮った。
「そうだねぇ。なら、仕方ないな。また詳しく聞くとするよ。
あぁ、ルナ君。このカードが寮の鍵、兼クレジット。
特待生は食堂タダだし、学園の施設は殆ど優先的に使うことができる。活用してくれて構わないからね」
理事長はそう言ってへらりと笑った。
「ありがとうございます。
それと、一つだけお伺いしたいのですが…この学園は使い魔を出しておくのは禁止ですか?」
カードを受け取って問うと、理事長は不思議そうな顔をした。
「おや、もう使い魔を持っているのかい?余程大型の使い魔で無ければ、連れ歩いても構わないよ」
その言葉に、今日は何とか空間に入っていてもらっていた久遠を呼び出す。
すると、理事長の目が見開いた。
「金の妖狐…?いや。まさかね」
「どうかされましたか?」
「いや、その大きさなら大丈夫だ。行って構わないよ」
「ありがとうございます」
彼女の反応は気になったものの、もう時間が無いのも事実。
というか、もう間に合わないだろう。
エルノアの吹っ切れたような態度がそう物語っている。
理事長室を出ても、もう急ごうともしない二人。
「転移しないの?」
そちらの方が、早い上に楽なんじゃない?
そう思って聞いてみると、ローゼンが首を振った。
「学園では、俺の得意属性は雷だ。他の属性値は平均。空間は目立ちすぎる」
ここでは他の属性は隠しているらしい。
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