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空は深い暗闇に覆われ、時刻はすでに深夜帯にさしかかろうとしていた。
そんな中、小綺麗に片付けられたキッチンをうろつきながら、俺は食材の在庫確認をしている。
「今日のランチ、晴海ちゃん分量間違えてたんじゃないか?ソーセージ余りすぎ……」
生ものは一晩おくと店では扱えない。これは持ってかえって今日の夕飯に使おう。
「あとは……よし、ないな」
あらかた閉店後にやる事は終わった。その後、少し外で一服してから店のシャッターを閉め、帰路につく。
「ただいまー」
家のドアを開けるといつも通り、奥から「おーぅ」と返事が。
そのまま一直線にリビングへ向かう(というか風呂とトイレ以外に部屋がない)
リビングに入るとこれまたいつも通りソファに寝転がりながらノートパソコンを広げている金髪女がいた。いわゆる俺のカノジョというやつである。名前は亮子。
俺の気配に気づいたのか、顔だけこちらに向け、にやりとシニカルに微笑む。
「おつかれ、今日も余った?」
「その言い方はやめてくれよ。儲かってないみたいだろ」言いながらソファの前のテーブルに余ったソーセージを置く俺。
「うお、美味そう」さっそく手を出す亮子。
「おい亮ちゃん、太るぜ」
「だいじょーぶだって。ほら、あたしってあれじゃん?いくら食べても太らない体質じゃん?」
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