第2話-2

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「郁ちゃん、これから少し、 人間関係が賑やかになりそうなの」 「え、そうなの? うーん、大丈夫かなぁ? 私……人間関係、巧くないんだよねぇ……」 たはは、と自分でも情けない笑いを漏らす。 「知ってる」 采女も、ふふ、っと笑みを返してくれた。 「でもね、そういうんじゃなくて……。 人見知りで場所見知りな郁ちゃんが、 結果的に振り回す側になりそうなの」 …………。 ………なんですと? 『人様にご迷惑をかけるようなことをしてはいけません』 と、両親に口うるさく言われて育ってきた。 まさかそんな、 自分が嵐の真ん中に立つなんて想像できない。
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