第2話-2

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「……なんか……すみません……」 顔から火が出そうになりながら、 電話口に謝る。 『クククッ……や、なかなか、賑やかデスネ』 先生の笑い声が、鼓膜を揺らす。 『ごカゾク?』 「はい……。兄と姉です」 はぁぁぁーと、ため息混じりに答える。 帰宅した私に、烈火のごとく噛みついてきた姉のすみれちゃん。 どうやら、メールでお遣いを頼まれていたみたいで。 携帯のない私は、当然 知らないまま帰宅してしまった。 すみれちゃん、手ぶらの私に大激怒。 それを、日頃は一人暮らしなのに大学時代の資料がいるからと、 たまたま帰って来ていた私たちの兄、章人が目撃。 あっと言う間に当事者そっちのけの喧嘩が始まった。
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