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「……なんか……すみません……」
顔から火が出そうになりながら、
電話口に謝る。
『クククッ……や、なかなか、賑やかデスネ』
先生の笑い声が、鼓膜を揺らす。
『ごカゾク?』
「はい……。兄と姉です」
はぁぁぁーと、ため息混じりに答える。
帰宅した私に、烈火のごとく噛みついてきた姉のすみれちゃん。
どうやら、メールでお遣いを頼まれていたみたいで。
携帯のない私は、当然
知らないまま帰宅してしまった。
すみれちゃん、手ぶらの私に大激怒。
それを、日頃は一人暮らしなのに大学時代の資料がいるからと、
たまたま帰って来ていた私たちの兄、章人が目撃。
あっと言う間に当事者そっちのけの喧嘩が始まった。
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