第2話-2

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自分の部屋で、やっと訪れた静寂。 息を整え、耳に全神経を集中する。 ……ヤバい。 今頃になって、緊張してきた。 『どした?』 「いえ……何もないです」 黙りこくった私に、 先生の柔らかい声が耳をくすぐる。 先生の、声。 小さい子を宥めるような、 いつもより丸い声。 この声は………ずるい。 低くて甘くて、脳が痺れる。 『ひょっとして、お姉サンからのお遣い出来なかったら?』 「え?」 『姉妹ケンカ』 フッと先生の吐息のような笑い声が耳に当たる。 その声に、また、 暴れ出す心臓。
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