第2話-2

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『待て………、ははっ……… ヤバい、自分で想像したらスゴイ、マヌケ』 さっきまでの優しい微笑みではなく ワントーン上がった、 転がるような笑い声が、耳にくすぐったい。 つられて笑っているうちに、 いつの間にか肩の力が抜けた。 『悪かったネ』 ひとしきり笑った後、先生がそう言った。 意味を取りあぐねいていると、 『職員会議長引いて、お遣いメールに 気が付くの遅くなった』 あ………、喧嘩になったこと、 気にしてくれてたんだ……。 先生が悪い訳じゃ、ないのに。 その心遣いに、胸がキュッと締め付けられる。 「そんな、こちらこそご連絡ありがとうございました」 『ん。ダイジョウブ?』 「はい。大丈夫です。 あとで買ってきてあげたら、ご機嫌直りますから」
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