第2話-2

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ふ、と先生の声が途切れる。 「?」 『………暗いヨ?外』  「あ、近くにコンビニあるので 自転車でチャチャッと行ってきます」 時計を見れば、もうすぐ8時。 この辺りは、 まだまだ人通りも車も多い時間帯だ。 『…………』 あれ? なんか変なこと、言ったかな。 携帯の向こう側で、空気が変わった気がして不安がよぎる。 「先生?」 小さく呼びかけてみる。 『お前、家どの辺?』 ピリッとした、少し怒気を含んだような言い方に、ビクッと身が竦む。 『なんか近くに目印になるような建物とか 、ある?』 妙な緊張感で、なんて答えていいのか 分からず携帯を握る手に力がこもる。 『ーーーーーカオル?聞いてる?』
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