第2話-2

22/33
前へ
/33ページ
次へ
…………先生の声は、ずるい。 ドキドキさせたり、フワフワさせたり。 私を天にも地にも連れて行く。 ビリビリと痛いくらいの刺激を脳に感じながら、上の空で近くの大きな神社と公園の名を告げると、 先生は 『分かった。またかける』 そう言って電話を切った。 私は体全部が心臓になって、 この騒がしい音が外に響いてしまうような気がしてーーー。 ベッドの上で、小さく丸まって 自分の体をギュッと抱きしめた。 静まれ、静まれ!! そう念じてるのに、心音だけじゃなく 鳴り止まないサイレンのように、 先生の声がこだました………。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加