第2話-2

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ふわり、鼻をくすぐる爽やかな香りに顔を上げる。 すぐ横を歩く先生の横顔が 外灯に照らされて、陰影を作っていた。 その姿が、とても妖艶で思わず見惚れる。 オトナの、オトコの人………。 「あ、」 穴が開くほど眺めていた私は、先生の声に ビクッと肩が上がる。 「へぇ、バスケットコートあるんだ」 先生の視線の先は、スポーツコートと呼ばれるコーナーだった。 「はい。テニスコートもありますよ」 「フーン」 池を取り囲む散歩道から離れ、 コートへ方向転換した先生に倣う。
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