第2話-2

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冴島先生の所に先に行ったと言うと、 「やっぱり冴島先生が持ってた!? 昨日散々郁の携帯に電話攻撃したけど、なかなか出なくて! 出たと思ったら、あいつ無口で話にならなかったから心配してたの!」 昨日、電話で先生が言っていたことを思い出して、思わず苦笑いが漏れてしまった。 「で、返してもらえた!?」 「まだだけど、今日の放課後返してもらえそう」 嘘を吐く罪悪感にチクリ。 胸が痛くて、リカから視線を逸らしながら答える。 「良かったねぇ!本当にごめんね、郁。 私も放課後ついて行くから!!」 ガッツポーズで、力強く宣言するリカに慌てて両手を振った。 「や、一人で大丈夫だよ。 それにほら、今日リカ部活でしょ」 「でも……元はと言えば私のせいだし」 「そんなことないよ。 返してもらえることになったのも、リカが先生に話してくれたお陰かもしれないし。 本当にありがとう」
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