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冴島先生の所に先に行ったと言うと、
「やっぱり冴島先生が持ってた!?
昨日散々郁の携帯に電話攻撃したけど、なかなか出なくて!
出たと思ったら、あいつ無口で話にならなかったから心配してたの!」
昨日、電話で先生が言っていたことを思い出して、思わず苦笑いが漏れてしまった。
「で、返してもらえた!?」
「まだだけど、今日の放課後返してもらえそう」
嘘を吐く罪悪感にチクリ。
胸が痛くて、リカから視線を逸らしながら答える。
「良かったねぇ!本当にごめんね、郁。
私も放課後ついて行くから!!」
ガッツポーズで、力強く宣言するリカに慌てて両手を振った。
「や、一人で大丈夫だよ。
それにほら、今日リカ部活でしょ」
「でも……元はと言えば私のせいだし」
「そんなことないよ。
返してもらえることになったのも、リカが先生に話してくれたお陰かもしれないし。
本当にありがとう」
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