第2話-2

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すると、先生は片方の口角だけを上げて、ニヤリ。 「超能力者ダカラ」 「……先生、どこまで私の携帯見てるんですか……」 じとーっと睨んでみるけれど、 先生は全く悪びれる様子もなく 「見てマセン」 と、しれっと言うもんだから。 もう半ばあきらめの境地に達してきた。 「それから、」 そう言って袋ごとガサッと私の膝に置いた。 「お姉サンに」 慌てて中身を確認すると、 すみれちゃんが騒いでいた酢イカと昆布が数袋入っていて。 今日、わざわざこのために来てくれたんだ………。 兄弟喧嘩、してたから………。 思いがけない気遣いに胸がギュッと音を立てた。 「こんな……あの、お金」
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