86人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「えー、ホントに大丈夫?
郁(かおる)大人しいから、無愛想冴島に無茶言われないか心配だよー」
もはや、『先生』の称号すら外されてしまってる可哀想な先生。
そして、無茶はもう始まってる……って知ったら、リカ、先生の所に乗り込むだろうな。
そんな想像しながら、
そっとスカートのポケットを上から掴む。
先生の携帯が、確かにここに
存在している。
「ありがとうね、リカ。
でも、今日先生と話したらそんなに悪い人じゃなかったよ?」
「…………郁、今まで悪い人に会ったことある?」
「?」
リカの言葉の意味を取り倦(あぐ)ねいて、首を傾げると。
「………まぁ、いいや。
そこが郁のいいところだからね」
そう言って、大きく溜息をつくと。
「何かあったら、すぐに言いなよ?
いざとなったら采女(あやめ)に呪ってもらうから」
最初のコメントを投稿しよう!