第2話-2

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「リカ……それは、采女怒るよ?」 「とにかく!! 私はまだ、冴島信用してないから! 私のせいで郁が悪魔の餌食になるくらいなら、こっちが先に仕留めてやる!」 そう言って、高らかに拳を振り上げるリカを、頼もしくも不安にも感じた朝だった。 「ーーーーーーはい、 じゃあ今日はここまで。 来週ソクラテスの思想について小テストするからなぁー」 おじいちゃん先生ののんびりした声に ハッと黒板に向き直る。 私が校庭の桜の若葉に心奪われていた間に、とっくに授業は終わっていたみたい。 残すはHRのみ。 先生が去った後のザワザワした教室で 教科書やノートをまとめていると。 「郁ちゃん?」 鈴の鳴るような、優しい音色で名前を呼ばれた。
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