第2話-2

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振り返った先には、長い艶やかな黒髪を携えた采女(あやめ)が微笑んでいた。 「采女!昨日どうしたの? 調子悪かった?」 「ううん。 昨日はうちで大事な祭祀があって、お手伝いがあったから休んだの。 それより……」 細くて白い指を口元に添え、 何かを思い出すように宙へ視線を動かす采女。 「郁ちゃん、昨日何か変わったことなかった?」 「変わったこと?」 ドキリ、と騒がしく粟立つ胸。 「そう、何か……。 不思議なご縁?なのかな。 私もまだはっきり見えないんだけど……。 夜、式神がやたらと郁ちゃんのこと騒いでたから」
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