第2話-2

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ふっ、と息を吐いたあと。 「もし、冴島先生が郁ちゃん傷つけたら、 私、許さないから。 その時は、ちゃんと相談してね?」 そう微笑む采女の黒曜石のような瞳が、 怪しく私を射抜く。 「ねぇ……」  「なぁに?」 え、なんで昨日エラい目あったこと知ってるの? え、なんで話してないのに冴島先生出てくるの? え、シキガミさんて………誰? 采女に聞きたいことが多々あるけど、怖いもの見たさのような、見たくないような。 色んなごちゃまぜな気持ちを、 全部飲み込んで。 「………ううん、何でもない。 采女、ありがとう」 曖昧に微笑み返したら。 「郁ちゃんの、そういうところ大好き」 そんな私もお見通しなんだろう。 全部包み込むように、ふわり。 頬を緩ませて、私を優しく見つめてくれた。 入学して同じクラスになった采女は、私の高校では有名人だった。
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