第2話-2

9/33
前へ
/33ページ
次へ
『すごく当たる占い師が、新入生にいる』 そう女子の間で話題になったのが采女で。 最初こそ、学年問わず沢山の人だかりが出来ていたけれど、 「学校で商売はしない」 と、プロとして一貫した姿勢を貫いた。 もちろんそれをよく思わない人もいるわけで。 嫌がらせをされたり陰口をたたかれたり。 采女と一緒にいることで、 飛び散る火の粉を避ける心理か。 お祭りが終わったあとの屋台のように、 あっという間に采女は一人になった。 その頃、采女と帰りの電車が一緒になった私。 近くで見ると、とても同じ年とは思えない、凛としたオーラのある彼女に見惚れてしまった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加