気苦労その1

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その日はとりあえずもう何も考えたくなかったので眠る。 深く考えるのはもう明日の自分に丸投げする。 僕は慣れない環境ではあるものの、疲れていたのかベッドに寝転ぶとすぐに眠れた。 次の日。 「くあぁ........!」 僕は目覚めてまず思ってしまう。 あぁ、夢じゃないのか。 やっぱりどこか現実を受け入れられないのでつい現実逃避してしまう。 だが今日からは本格的にダンジョンを作らないと命がヤヴァイ。 決して冗談とかではなく本当にヤヴァイ。 僕はため息とともに現実逃避をやめて例の本を開く。 ある程度また中身をパラパラとめくっていると昨日は気づかない事がいくつか出て来た。 どうやらこの本はダンジョンマスターにとってとっても大事な物らしい。 現在のダンジョン構成やDPの使用履歴やダンジョンに配置されてるモンスターの一覧といった、現状把握に役立つものが見つかった。 とはいっても現状では決して意味の無い物ばかりだけど。 「とりあえずダンジョン構成を考えないと....。」 ダンジョンには属性がある。 まずはダンジョンの属性を考えないといけない。 とはいっても、僕の中ではもうダンジョン属性は決まっているのだけれども。 「やっぱり【迷宮】属性だよなぁ....。」 もちろんマグマをそこら中に配置して外敵に直接ダメージを与えるのが理想ではある。 でもそうなるとダンジョンに配置するモンスターやダンジョン構成に縛りができてしまう。 そうなるとLevelの低い僕には突破された時どうする事も無くなる。 それならば、直接ダメージを与えるよりも精神的に辛くなる迷宮属性にする。 ほら、風邪とかでもそうだろう? 普通に咳が出るといった症状よりもトイレに頻繁に通わなければいけない下痢や便秘のほうが辛いでしょ? んー....なんか違う。 まぁそういった精神的なダメージは体にも影響するものだ。 僕はそういって本のダンジョン構成のページを開く。 とりあえずシンプルに分かれ道を増やしたり、当たり部屋に見せかけた部屋を作りたい。 僕はそういってダンジョン構成の欄を開く。
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