気苦労その1

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僕は自分で言うのもなんだが優柔不断だ。 そんな自分は今までそんな性格で苦労して来たと思う。 なぜ思うってのは記憶が無いからだ。 でも確信できるので今回はその自分の中にある確信を信じようと思う。 だから変に悩んで後悔するより、直感にまかせてもう解放しちゃおうと思う。 そうと決まればモンスターだ! 僕はモンスターの項目をのぞく。 モンスターは種族ごとにジャンル分けされていて、一番最初には「スライム属」が載っている。 【スライム】 モンスターの中でも最底辺を争う雑魚中の雑魚。 食事は水のみで生きていけるので、ダンジョン内の食物連鎖に役立つ。 固有スキル ・分裂 ・吸収 そうスライムの説明を読んで気づいた事が1つ。 そうか、食物連鎖の事考えないといけないのか。 そうだよな。例え肉食のドラゴン召喚できたとしても食物になるようなモンスターが居なかったら意味ないもんな。 そう考えるとスライムって一番基礎であり重要なモンスターじゃあないの? 僕はそう考えて適当にスライムを5匹召喚することに。 『スライム を 5 召喚します。よろしいでしょうか?』 そう頭の中でまた女性の声が鳴り響く。 僕は、はい。と心の中でつぶやく。 するとよくなんかの本で見た魔方陣が僕の前の地面に現れる。 そして僕が驚く中突然輝きだす。 僕はいきなりの事になんの心構えもしてなかったのでその光を直視してしまう。 「うがああ!目がああ!」 ぼくはどこかで聞いた事のある台詞を吐き出しながら目を抑えもだえる。 しばらく体を揺らしながら痛みに耐えているとようやく視界がクリアになり始める。 鮮明になった視界が真っ先に捕らえたものはの塊。 それがぷよぷよと揺れていた。 「これが....スライム?」 ぼくがそうつぶやくと水の塊はプルンプルンと激しく体を揺らした。 少し驚きながらも指で体をつついてみる。 感触はゼリーに近いものだが、決して柔らかすぎない。それでいてひんやりと冷たい。 触った感想としてはやばい、いつまでも触っていられる。 僕はそう思いながらぷよぷよとした感触を更に楽しもうとスライムたちを招集する。 『警告!ダンジョンに敵が侵入しました!』 しかし、僕にそれは許されなかった。
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