気苦労その1

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「な、なんだってー!?」 ぼくはそう叫ばずにはいられなかった。 そりゃあそうだろう。解放して1分もたってないのにいきなり侵入者とか誰が想像できるか。 『ステータスにて侵入者の情報を確認できます。』 僕は頭の中で流されるテロップに促されるままステータスウィンドウを開く。 すると前まで空白だった場所に新しい情報が表示されていた。 【侵入者情報】 ・エルフ/Level 92 HP 101/4892 MP 39/3209 攻撃 2830 守備 2749 早さ 3218 知力 4611 幸運 2098 もうお終いだぁ....勝てる訳が無いぃ....! どうしてこうなった....? なんだよこの能力値....何でラスボスとも殴り合える奴が始まりの村抜けた草原にうろついてんだよ....。 「............!」 「ん?」 僕が四つん這いの状態で落ち込んでいると召喚したスライムがウィンドウを見ながら(目がないから合ってるかしらん)プルプルprprprprprと体を震わせている。 僕はスライムに近づいて聞いてみる。 「そういたんだスライム君....僕はもう遺書の内容を考えるのに必死なんだけど....?」 「............!」 視線をスライム君に移すとスライム君は僕に何か伝えたいようと必死にウィンドウを見る。 気になったのでウィンドウをのぞきスライム君の伝えたい事を探す。 「これ?違うのか....ん!?」 僕はそこで初めて気づく。 HP 101/4892 体力101だって!? どういう事だ....? 僕はこれが希望を求める余り生み出した幻覚ではないかと疑うが、何度目をこすっても頬をつねってもスライム君をprprprprしても見間違いではない。 これは....ビッグチャンス!? 僕はそう思いスライム君に向き直す。 「いいよスライム君!大手柄だよ!」 そういってスライム君の体をひたすら触る。 ひんやりしたゼリー体の体は嫌がる様子を見せずそのまま僕にprprされた。 僕はしばらくスライム君の体を撫で繰り回してもう一度ウィンドウを見る。 確かに侵入者のLevelも能力値も高い。 でも体力がこれだけならもしかしたら可能性があるんじゃあないのか?
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