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「....うっ....ンふぅ....。」
僕は手にあるプニプニとした感触に目が覚める。
はっきりとしない寝ぼけ眼をこすりながら辺りを見回す。
少し見慣れた水色のゼリー体を傍目にベッドへと視線を向ける。
ベッドでは相変わらず褐色肌の見えるスラリとした足が見えるので、昨日救助した女性はどうやらあのままのようだ。
僕は周りの寝ている(ぴくりともしないのでそうと思う)スライム君たちを起こさないようにベッドに近づく。
女性の顔を覗き込むと安定した寝息が聞こえる。
どうやら毒も抜けたようだ。
僕はそこでウィンドウを開く。
【侵入者情報】
HP 3019/4892
状態 眠
どうやら例の封とかいう状態異常も回復したようだ。
僕は一度安堵の息をもらして考える。
この人....どうしようか?
僕としては殺したくないし、かといってこのまま帰していいものか....?
もしここのダンジョンを話すような人ならこのまま何としてでも帰す訳にも行かないし....。
僕がそうやって1人で悩んでいると、スライム君たちが目覚めたようで気づけば僕の背後でプルプルしていた。
「あ、スライム君。丁度いい所に「んん....どこじゃここは?」OH....。」
僕は目覚めたばかりのスライム君たちに知恵を借りようとした途端、ベッドで寝ている方から女性の声がする。
ベッドの方に首を向けると、予想通りというかなんというか、救助した女性が目覚めていた。
女性は見慣れない風景に寝起きながら混乱しているようで、周りをゆっくり見回していた。
そんな彼女と僕の視線が合うのはそう時間がかからなかった。
「....!お主離れるのじゃ!」
「はい!?」
「モンスターじゃ!早くするのじゃ!」
ここで僕は頭の中で状況を把握する。
前には戦闘態勢の女性。
背後にはスライム君たち。
....やばい。このままじゃあスライム君たちがヤラレてしまう。
僕は何とか誤解を解くために慌てて語る。
「ちがっ、この子たちは別に悪いモンスターじゃあないです!」
「モンスターに悪いも糞もあるものか!早く離れるのじゃ!」
「ちょ、おねがい!話を聞いて!?」
「いいからそこをどくのじゃ!」
「お願いですからああああ!!」
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