気苦労その1

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僕の根気の入った説得により何とか女性に話をきいてもらえることになった。 「うむ....では話してみよ。」 「その前に一ついいですか?」 「なんじゃ、申してみよ。」 「どうして上から目線なんだ?」 「それはもちろん妾が女王であるからじゃ!」 そういって女性は胸を張る。 その行動によって女性の大きすぎるといっても過言ではない胸が強調される。 「む?お主何故そんな中腰なのじゃ?」 「気にしてはいけません、爆発してしまいます。」 「爆発!?」 そういって女性は露骨に僕から距離を取る。 あ、純粋だ。この人。 「....ふぅ。もう大丈夫です。」 「ほ、本当じゃな?爆発しないんじゃな?」 「はい。」 「うむ....では改めて、話してみよ。」 「上から....まぁいいや。 えっと、先に説明するとこのスライム君たちは僕の友達です。 僕はこの洞窟に住んでいるのですが、昨日突然スライム君が気絶したあなたを連れてきました。 なんとか治療して今に至る....と言う訳です。」 僕は女性にとりあえず今の状態を簡単に説明する。 女性はスライム君の所で一度驚いた表情を浮かべたが、先に僕の話を全て聞いてくれた。 そしてそのままベッドに座りながら考える様な仕草をする。 僕は女性の考えが落ち着くまで待つ(正座)。 足が限界を超えかけた所で女性はようやく考えが治まったらしく、ようやく話し始めてくれた。 「うむ....状態は飲み込めた。まずは見知らぬ妾を救助してくれた事、礼を申す。」 そういって女性はおもむろに頭を下げる。 僕は慌てて女性に止めるよう説得を試みるが、女性は頑にそれを止めなかった。 最終的に僕が素直に感謝を受け入れる事で事態は治まった。 頭をあげた所で女性はまた話始めた。 「お主のそのスライムたちとの友情は少しばかり信じがたいものじゃが、妾の記憶が正しいなら気絶する前に見た最後の景色にスライムが居た。 ということはお主の友人であるスライムが妾をここまで運んだと言っても信用できる。 そこで質問なのじゃが、そのスライム君たちとはどこで知り合ったのじゃ? 失礼な話ではあるが、スライムは知性が高くないモンスター。そんなモンスターと友好関係を結んだとは信じがたくての....。」
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